脊柱側彎症は、骨が成長する子どもの時期から思春期にかけて、脊柱(背骨)が横方向に曲がってねじれる病気です。姿勢が悪いというのとは根本的に違うものです。早期に発見して適切な治療や経過観察を行うことで重症化を予防できることから、昭和53年に学校保健法施行規則の一部が改正され昭和54年4月より全国規模で検診を実施しています。
脊柱側彎症の中には、一時的な脊柱(背骨)の曲がり(機能性側彎)と永続的な曲がり(構築性側彎)とがあります。学校保健の中で特に問題になるものは、進行性の「構築性側彎症です。これは、進行し悪化すると脊柱の側彎とねじれに伴う胸郭変形のため、体幹の高度変形にとどまらず、肺活量の減少による肺及び心臓への負担から、いろいろな病気を引き起こす原因となります。
「構築性側彎症のうち原因のわからないものが80~90%あり、これを「特発性側彎症」と言います。この特発性側彎症には、側彎が始まってくる年齢によって、「乳児期側彎症」、「学童期側彎症」、「思春期側彎症」の三つに区別されています。
検査方法には「モアレ法」と「シルエッター法」があり、当協会では主にモアレ法と一部限定地区でのシルエッター法との2法で検診を実施しており、令和元年度の小学校・中学校合わせた受診者数は8,608人でした。
今回、当協会が導入するモアレ法に基づくデジタル側弯症検診装置は、被爆の心配のない赤外線3Dセンサーを使用し、体表面の凹凸を等高線として表示し、得られた画像を専門医が判定します。正常では左右対称に等高線の縞模様なって見られますが、側弯症の場合は非対称となります。鮮明な等高線画像と実画像の2画面を同時に表示でき、より迅速に精度の高い検診が可能となります。